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飛び起きた。夢を見たからだ。あってはならない、夢。兄を思い出させるような、夢。いくらブラコンだからとといって、そんなところまでは決して似たいとは思わないサスケが、何故か見てしまった。


喉がひりつくようで、サスケは肩で息をする。実際はそれすらも侭ならなくて、眉を歪めて、不覚にも泣きそうだと思った。いっそのこと子供のように誰かにすがり付いてしまえば楽だけれど、生憎サスケにはそんな風にして慰めてくれる家族がいないので、それもまた夢だ。少し違うけれど。それにしても、と、思う。夢とはいえ、残酷だと。滑る感触が手に残っているような気がして、そのせいで吐き気がする。忍としては問題なのかもしれない。けれど、忍だからこそ、大分慣れている生物の肉体から滴る紅い体液。それだけならまだサスケはしっかりと自分を保っていられるのだ。血なんて、見飽きるほどに見ることになるのだから、けれど。けれど、だ。サスケが冷や汗をかき、今は居ない家族にすら縋って泣き喚きたいと思うのはそんなことが理由ではない。やはりこれは、夢見の悪さが原因なのだ。


刀の感触。鉄の臭い。生暖かい頬。触れるとそこにはどっぷりとつかるような血。灯りがついたように瞬間的に周りが見えるようになって、ぐるりとそこを見回すと、知った顔が幾つも転がっていた。生気のないような顔をしたもの。実際そいつは死んでいる。首から下のないもの。すっぱりと切られたような跡が見えて、サスケは嘔吐しようとする生理現象をなんとか押しとどめた。なにがあったのかはわからないけれど、自分は生きているのだからもしかしたら他にも生きているものがあるかもしれない。けれど。もし、誰も生きていなかったら?何があったか判らないのは、状況把握に置いてもっとも困る。対策の立てようがない。


轟音を立てる、頭痛とはまた違うような頭の痛みが近付いてくるのを気のせいだと思い込んで、サスケはこの状況をどうにか把握しようと頭を働かせた。見覚えのある忍服、木の葉の里のものだ。

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