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 これが罪だというなら、それでも構わなかった。これは罪でないのだから、余計、構う事などない。

「好きだよ」

 答えを求めているわけでも、ないのだ。クイーンは。傅くジョーカーに、紡ぐだけ。それがただの戯言でない事も、本気な事も、ジョーカーは知っている。理解はしていないけれど。
 唇が触れるか触れないか、ギリギリのところで止められる。この距離が、ジョーカーは酷く苦手だと思う。合わさってしまえば何のことはないのに、クイーンは、その距離で薄灰を濁らせて自分を見るのだ。至近距離は、慣れない。

「わたしとジョーカー君が親子だったら良かったのにね」
「……なぜですか?」
「だって、一緒にいたって怪しまれないじゃないか」

 別に、親子じゃなくたって怪しまれないと思う。大体、怪しまれたって構わないと思っているくせに。

「別に、悪いことをしているわけじゃありませんよ」

 関係自体は咎でなく、罪でなく、罰を受ける必要も無く。

「そうだね」

 クイーンは笑う。答えは求めずに、ただ、好きだ、と言って。(すくいだといって)

「親子だったら、罪になるね」

 戯れる唇を塞ぎこんで、その先は聞きたくないのだと暗に示した。背徳を愛したいのではない。誇り高い矜持に恋をしたのだ。尊い犯罪者。

「わたしは幸せだね。親子でもないのに、君にあえた」

 決して重ならない運命が、平行にある。どこまで続くか解らないけれど、続く限りは永遠だ。出会ったときから変わらない。

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