忍者ブログ
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリー
最新CM
(05/16)
(03/07)
(11/08)
(11/08)
(11/04)
リンク
最新記事
最古記事
アーカイブ
ブログ内検索
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

眠り姫していればいつか世界は変わって、幸せな時に目を開けたらそこには誰か必要な人が一人で待っているんだろう。幻想だといわれてもそこに確かに夢を見ていて、それで良いと、それで私はお姫さまのままとても幸せに暮らすんだろうと、18歳の頃の話だ。あの時は若かったわね、たった数ヶ月前の話なのに。おかげさまで私は不幸せに幸せです。順風満帆。覗きこむ闇に差し出された手をとって、黒い世界に身を投じた。疲れたのよ。伝家の宝刀よろしくの言葉を吐き出して、私は眠りにつく。

冬の到来と言っても、火の国と呼ばれるこの辺りだ。それほど寒暖の差は激しくなく、身につけた装いも特に変わりはない。
ちらほらと降る紅葉した葉が秋が終わることをそれだけで告げていて、サスケはなかなか手入れの行き届かない庭に目を向ける。かき集めれば芋が焼けるだろうか。基準が居ない人間であることに歯を軋ませ、ついでに元より筋の入っていた額に一本皺を追加した。芋は嫌いではないが、特別好きなわけでもない。芋も、芋を焼くことも好きなのは、只今絶賛遠距離恋愛? 中のウスラトンカチで、今頃は戦渦真っ只中だろう。近頃腕っ節の強い火影が、戦好きな連中が増えて困るのだとこぼしていた。あのウスラトンカチがこれしきの戦いで死にはしないだろうが。
この落ち葉が雪に埋もれる前に帰ってくれば良いとは思う。近年雪が降ったのかと問われれば、それこそ出刃亀だろう。恋愛中かどうかはさておいても、会いたいものは会いたい。随分と素直になるんだな、人間なんて現金なやつだ。目の前に居たら言えないことも言えてしまう思えてしまう。つなぎ止めるのに必要なのは言葉だと解ってはいるけれど、言えないものは言えない。
「寒いな」
誰に言うともなしにぽつりと呟いた言の葉。声にしたのと気配が現れるのはほぼ同時で、柄にもなく少し焦ったようなそれが、庭に降りた。
「原因も過程もわからないんだけれど、兎に角着いてきてくれないかな。悪いけど」
珍しく必死な声色と変わらぬ表情に、いつもと違う何かを感じる。それは、日常か否か? どうせマンセル仲間の居ない日常など非日常と変わらないのだ。
「サクラが倒れたんです」
非日常と変わらないのだ。

「寒ぃってばよ…」
こんな寒さなんてこの国では日単位でざらですよ?寧ろ今日は暖かいくらいです。雪の里からの支給品の毛布は笑えるほどに風通しがよく、木の葉の暖冬な気候で育ったナルトには些か堪える。軽口を叩く雪の連中といえば見るだけでこちらが凍えそうな装いで、ナルトはぶるりと身震いした。
「木の葉はこんな寒くねえの。お前ら基準で考えんなってば!」


PR
Comments
Name

Subject

Mail

Web

Pass
Comment


Trackbacks
TRACKBACK URL :
忍者ブログ | [PR]

(C)客喰う柿。 / ブログ管理者 ととこ
Blog Skin by TABLE ENOCH