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『せぇのっ!』

声と共に高く投げられたのは、ブーケ・・・・・を象ったわけでもないけれど、コサージュだ。

黄色いコサージュ

卒業式だ。
周囲から『お前は中学校も卒業出来なさそうだな』と散々言われていたナルトも、流石に義務教育だけはなんとか終わらせ、無謀だ、と言われていたサスケと同じ学校に行く事も決まった。
無謀だ、とは言われていたけれど、ナルトだって基本的にはそこまで馬鹿じゃないのだ。
ただ、酷く、人よりもかなり、飲み込みが遅いだけ。
それを知っていたから、サスケが根気よく、根気よく、覚えさせていった。
まぁ、詰まる所、サスケのおかげ、といってもいいのかもしれないけれど、とりあえず、入ってしまえば此方のものだ。
うんよく奇跡的にそれなりのレベルの学校に入り、明日からは在校生よりも一足早い春休み。
という事で、今日は卒業式なのだ。
中学校生活、最後の日。
せっかくなので仲良し組みで集まって、校内での卒業記念式を行おう、と思い立った。

「この学校とも今日でお別れだってばよ!」

銀色に光る校庭の朝礼台の上で、ナルトが長い髪を振って、声をあげる。
サスケが下から『黙れ』とその髪を引っ張った。

「なにすんだってばバカサスケ!」
「フン・・・」
「むー!なー、キバははしゃぐ俺の気持ち判ってくれるだろ!?」

スカートがめくれ上がるのも気にせずに朝礼台から飛び降り、おちゃらけ仲間のキバに同意を求める。
『ふっ・・・・・俺はもう、大人になったんだぜ・・・?』
髪を掻き上げる仕草をしながら呟いたのを、ナルトが腹を抱えて笑った。



往々に、鞄から花のような形のコサージュを取り出したのは、それが今回集まったメインの目的で、サスケが心底面倒臭そうにそれを取り出し終わったところで、ナルトがもう一度朝礼台に上がる。
阿呆のようなくだらないメインイベントに、集まった仲間が騒いだ。

「くだらねえ・・・・」
「わーかってねー!全く・・・くだらないから、いいんだろ!」

イベント、といったって、本当に、それこそ鼻で笑ってしまうほどに下らないもの。
それでも、それを聞いた仲間は集まったのだ。
『面白そう』が、一番の理由で。

ひとりずつ手にコサージュを持ったやつらが、朝礼台の前に並ぶ。

「じゃ、いくってばよ!」




詰まり、要は、花嫁がブーケを投げるようなものだ。
朝礼台に上った一番手のサクラが、後ろを向いてピンクのコサージュを投げた。

「とととと・・・・とりましたぁ―――――!」

リーの嬉しそうな声が響き渡り、サクラがその顔面向かって飛び降りる。

「なんで一年前に卒業したリーさんがいるのよぉぉおぉー!」

しゃーんなろー!叫ぶサクラを尻目に、イベントは続く。


「さーて、次はサスケの番だってばよー?」
「・・・ちっ」

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めんどくさくなったので、ここまで。オチはあるけど、中身が思いつかないんで。
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