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乗り継いだ電車の中。
肩にかかる重み。
思わず学生鞄で叩いた。

「じゃま」
「うるさい」

凭れ掛かられるのは嫌いじゃない、のだ。
嫌いではいけれど、ここは二人ではない。
だから、詰まる。
だって、可笑しいじゃないか、と思ってしまうのだ。
二人は何処からどう見ても男で、着ているのは真っ黒な学ラン。
隣にいる奴は肩口に顔を埋めるようにまでして、凭れ掛かっている。
自分に。
そして、多分自分の顔は赤いのだ。あきれながらも。
そんなの、普通の人から見たら、可笑しいじゃないか。
其処まで思って、ふと隣から声が聞こえた。

「ほっとけ」

何を?

・・・・・・・・。

「じゃま」
「うるさい」

溜息。
『ほっとけ』は、多分、その前につくはずだった『他の奴等なんて』という括弧書きにかかるのだろう。
主語がない。

滑稽じゃないか?
普通から見たら酷く可笑しい光景だ。
肩なんて軽く貸してやったらいい。
なにも紅くなる事なんてないのだ。
女の子みたいに。

「・・・」
「おい?」
「アホらし・・・」

ということは、紅くならずに普通にしていればなにもおどおどする事はない。
肩なんて、簡単に軽く貸してやったらいい。
面倒臭い。

「俺も寝る」

面倒臭いので、そこで思考をストップしよう。
そして、今度はお前が苦しむといい。
悩め悩め。
凭れ掛かっていた男ごと体を起こして、逆に自分が凭れる。
男から、『おい』と聞こえた。

「ほっとけ」

つまりは、そういうことだ。
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