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『黙れ、バケモノ』

 ああそうか、気付いた時にはもう遅かった。この両の手はしっかりと血に染まってしまっていたし、目の前にあるのはひたひたとした真っ赤な海だった。
『起動』させた『眸』を音をさせて解除する。キィン、と、嫌な音が響くのが聞こえた。脳の中で。
 いつも思うのだけれど、この瞬間は嫌いだ。果菜は血だまりに唾を吐きかけ、屍躯に刺さる獲物を取り上げた。ズ、と、音がして、紅く染まった相棒が姿をあらわした。眸を起動させた後はいつもこうだ。全く、不愉快だ。相棒にも言われる。『お前は、もうすこし落ち着くことを覚えろ』判っている事をそうあきれたように呟かれるから、果菜は時々相棒を折ってやろうか、と思う。けれど、この『槍鎌』は果菜の心臓だから、迂闊にそうする事も出来ない。槍鎌が折れてしまったら、果菜も死んでしまう。不愉快だ。不公平だ。
 落ち着くことを、だなんて、もう、耳に蛸が出来るほど聞いた。自分でだって判っている。けれど、この衝動は、意図したものではないのだ。偶然の衝動。だから、どうする事も出来ない。キーワードが発されれば否応なく本能で動いてしまうのだから。それを知って尚、槍鎌の奴は言うのだ。腹の立つ。

「槍鎌、槍鎌、ヒトになって」

 ひゅ、と風を切るように血を飛ばしてやって、槍鎌にそう命じる。槍鎌の姿が、一瞬ぼやけた。

『ハテナ』
「なに。私は悪くない」

 轟音を立てて震える建物。柱をつついてやれば、それはいとも簡単に崩れ去る。屍躯が動いた気がした。まだ、息があるのかもしれない。今なら、聞くことが出来るのかもしれない。でも、もう、いい。

「槍鎌、次に行くよ」
『・・・・・・・・・・・・・お前の秘密を・・・・・・』
「そう、私の秘密を思い出すために。行くよ」

 私はバケモノだ。それは判る。槍鎌は相棒だ。それは判る。バケモノの私は、キーワード一つで人殺しになる。造られたのだ。そう、刷り込まれた。他は何も、わからない。

「槍鎌、行くよ」

 判らないものを探す為に。

『ハテナ・・・』

 バ ケ モ ノ 

 後ろから、声が聞こえた。嗚呼、眸が。起動する。私は。嗚呼。





「私は悪くない」










・・・・・・・・・・・・・・・・・キィン・・・・・・・・・・・・・・・・


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何が書きたかったのか以前に書きたかったことがまとまってなかった・・・・・・・・・・・・・・・!
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