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 バッシングがなんだと思う。だって、だって、今更そんなものに意識を奪われていては、この関係はこの先続かない。続いて欲しい関係なのだから、廃れてしまっては、困るのだ。だから、サクラはもうどうでもいい、と、半ば投げやりに思うのだ。サクラにはサイという内縁の夫じみたものが居て、けれど、サクラはソイツを好いてはいない。周りの声が、五月蝿い。だから、それが、どうしたって?

「だって、好きじゃないんだもの、仕方ないでしょ」
「アンタねー」

 喫茶店で豪快にズルズルと氷を啜るサクラに、いのは嘆息する。そんなんだから、アンタ周りからやっかまれるのよー? 何よ、アンタに迷惑かけた? サクラの隣に座っていたサイは、先ほどサクラに追いやられた。今からアンタの悪口いうから、聞きたくなかったら出てって。わかったよ、終わったらメールくれれば、迎えに来る。サイもそんな扱いに慣れたもので、ニッコリと笑顔を貼り付けたまま扉へと向かう。財布は置いていってくれないの? 迎えに来た時に払うよ。ありがと、あいしてる。知ってる。

「アンタ、サイ君大切にしなさいよー? あんたみたいなの貰ってくれる人、そうそういないんだからー」
「アンタこそシカマルのこと大切にしてあげたら? その言葉そっくりそのままお返ししてあげる」
「あら、アタシたちはらぶらぶよー」

 どーだか。
 扉が開いた。店内に一歩入ったくの一達はサクラに目をとめて、あからさまに嫌そうな顔をする。いのの顔も、少し歪んだ。サクラ一人が涼しそうな顔をしている。ここ、やめよっか? そうだね。くの一達の顔をちらりともみないサクラに、余計に腹が立つらしい。そのくせ、見たら見たで、何見てるのよ、なのだから始末に置けないとおもう。サクラが笑った。

「ちょっと、何が面白いのよ、サクラー」

 いのはサクラを注意するように呟いた。それでも、サクラの笑いは止まらない。

「サイが欲しいなら、貸して上げるのに、って思って」

 バタン、と嫌味な音をさせて、店の扉がしまった。

「サクラー、アンタ、サイ君のことなんだとおもってんのよー……」
「サイのこと? なんとも思ってないわよ、別に。サイはサイなの」

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嫌な女なサクラちゃんが大好きです。
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