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愛なんてくれなくたって良いのよ。愛に代わるものをくれれば、それで。

「ねえ、サスケくんは私を愛してくれる?」

唐突な質問に吹き出したのはサスケだけで、ほかの三人はどこ吹く風だ。ナルトに至っては、吹き出すなんて失礼よねーなどとこちらを見ながら同意を求めるサクラに相槌まで打っている。しかも振る首は横ではなくて縦と来たもんだ。なんだ。なんの虐めだ。白いテーブルの上に吹き出したコーヒーをこれまた清潔感溢るる白い台拭きで拭う。暇そうにしていたウエイトレスが待ってましたとばかりに台拭きを持っていった。のを横目で見ていたサスケは短いため息をつく。

「ため息を吐くと幸せが逃げますよ」

既にこの瞬間が幸せだと感じられないわけだから、少しくらい幸せが逃げ出したところでとくに害はないだろうよ、といささか自嘲気味に考え、ふと顔をあげると先程までナルトと語らい合っていたようなサクラがじっとりと此方を見ていた。ナルトの視線まで絡み合ってくる。答えを求めるなんて、サクラ、お前らしくないぞ、とは、自分の中のガキが拗ねたように出した声だ。けれどその声が音になって外に出ることはない。ガキな言葉を自分の中で消化するのが一番の得策だからだ。それを、サスケはナルト伝で知った。このウスラトンカチに、女の扱いについて、で教えられることがあるだなんて驚きだったけれど、なんのことはない。極力接触を控えて日々ドーピングと、修行という名の引きこもりを続けてきた三年間と眩しいほどに光に当たり人との接触の中で『女』とも少なからず関わりを持ってきた活発な三年間の違いが顕著に表れたまでだ。まあどうせ女と言っても良いところサクラや日向の、くらいだろうが。まあつまり、女には逆らわない方が身のためだということを教わったわけで、だからサスケは比較的地雷を踏まなさそうな情けない道を探している。
と、それまでサスケをじぃっと見ていたサクラが諦めたかのようにその身を引いた。

「所詮七班…てところかしらね?」
「違う違う、流石七班、だってばよ」

話が見えない。見えない話をサスケは懸命に飲み込もうとしているけれど結局失敗するのだ。サスケが見ようとしたり失敗したりしているのを無視するように勝手に話を続けているようだ。

「ほーんと」
「まあ、サスケの反応は少なからず予想した感じだったしさ」
「いつまでも答えを求めない子供だと思ってたの?」

思っていたことを正しく言い当てられて少し狼狽した。その空気の動きに、サクラが『呆れた』と眉間に皺を寄せる。細い指先がストローでグラスをかき混ぜる。氷が涼しく音を立てた。

「ナルト、オレンジジュース頼んでも良い?」
「良いってばよ」
「サスケくんは珈琲ね」
「げ、サスケのも?」
「サイのもよ」



だって、愛なんていつ心変わりするか解らないじゃない。





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