不幸せな程の幸せの中手放した心

　私が貴方を好きで居るために、貴方が私に課した制約。
　一つ。他の女の子と居ても、何も言わない。
　一つ。私は私のままで何も変わらずに居る。
　一つ。私は貴方から絶対に離れない。
　私が貴方を好きで居るために、貴方が私に課した無意識の制約。貴方は一つでもそれが破られた時、悲しそうな顔で言うの。嫌いに、なったか？　許してしまう私は許されてしまう貴方の笑顔を見る度に酷く心が潰れそうになるのよ、言えない言葉、癒えない心、傷は消えないまま、紲だけ消えていく気がした。無意識の制約が唯一繋いでいる。
　私が貴方を好きで居るために。私が貴方を好きで居るために。意識して、呪文めいた言葉を繰り返して、

　限界があると、彼は知っていただろうか。知っていたとして、理解っていただろうか。ひしりと彼女たちに抱きつかれて、頬へ、額へ、そして、唇へ、の口付けを許してしまった貴方を、私は、赦せなかった。貴方を赦せなかった私を、私は許せなかった。
　考えたわ。考えたの。考えて、考えて、こい、にさよならを告げたの。

「さようならにしよう」

　不思議と笑顔になった。涙は枯れて、怒気などとうに失せ切って、苦しみと悲しみは今更にじみ出ることもなく、遺ったのは笑顔だけ。
　もうしないから、させないから、なんだか泣きそうな情けない顔で言われて、馬鹿ね、と、笑う。これから、は問題ではなく、これまで、が問題だったの。過去に信じられないまま、現在を信じられないまま、未来で信じることはきっと出来ない。もう私は、私を殺せないよ。だって、私は死んでしまったから。私の心は、不信と不安を伴って、死んでしまったから。そして私は、無条件に、無防備に、貴方を信じて、安心することは、出来ないから。貴方へのこいは不信と不安で成り立っていた。貴方を赦せないことを、許してね。
　何のしがらみも無くなって、やっと言えるようになった詞があった。

「あのね、乱馬。大好きよ、愛してる。これまでも今もこれからも」

　心が亡くなって、喪った分軽くなった。



　笑う彼女を見て、彼はやっと悟るのだ。憤ることさえ出来ず、彼はやっと理解するのだ。さよなら、の意味を。

***

凡て諦めた女の人は綺麗だと思います。諦めて享受して崩壊してそれでも立ち続ける女性を書くのが好きです。でも難しいよね。
そして私の中ではサクラが一番そんな子。
無意識って大好きです。無意識の言葉の暴力は一番人を傷つける。
別に、人が傷つくのを見るのが好きな訳じゃないんですが、凄く二次元的な感じがするからなのかな。最終的に一番傷つくのは右側より左側だと最高です。後悔の波に飲まれて生きればいい。

でもあかねは絶対こんな風にはならないと思います。幸せになるぜ(*´∀｀*)取り巻く女の子達もなんだかんだそれぞれくっついて、それでも追いかけられる乱馬だといい。あと変身体質は治らないで下さい。







さて、いい加減他人に頼るのは止めようかな。迷惑だよな。やるってきめたんだやるってきめたんだやるってきめたんだやるってきめたんだやるってきめたんだやるってきめたんだ。