桜咲き花散らん 夢遠く我追わん

貴女が俺を理解出来ないのは、心の何処かで俺を否定しているから。
俺がどんなに泣いても貴女は知らない。
だって俺は貴女の前では泣かないから。
『私は明るい。私は笑う。私に背負うものなんて何も無く。』
いつの間にか、何処か自分を客観視する、もう一人の俺が出来た。
それで？
だから？
いつからか、俺が愛せるのは、俺だけになって。
全ての対象は俺。
『好き』も『嫌い』も『憎い』も『ウザい』も
関心があるのは、俺自身。
誰かと居るのは楽しいし、誰かが居なくなったら、悲しい。
だけど。
心を冷ますのは、多分、これ以上ないほどに、簡単なのかもしれない。
だけどそれは、貴女が気づいてくれるまで、隠しておきます。
いつまでも明るく。
きっと貴女は気づかない。
もし、一生気づかなかったなら。
事切れるその寸前に、俺は、教えてあげるから。


気づいて。
気づいて。
気づいて。



貴女が知っている俺は、もう、居ないことに。


気づかないで。
気づかないで。
気づかないで。



俺が隠している
全てのことに。