血腥く啜り上げて

勢いよく腹に一刺し刃を突き立てた、痛そうに歪む顔が滑稽だった、死ぬのかと訊いたらこんなことでは死にませんと返る、逆に何故刺したのかと問われた、刺したかったからだと言ってやったら子どもですかと嘆息、苛ついたから縦の刃を横に、痛いですというから抜いてやった、床に落とせば金属音、真っ赤に染まったシャツとベスト、ベストを脱がせれば滴る血液押し出される血液染まり狂うシャツ、なんだか美味そうでだから口を付けて啜ってみた、シャツからは執事独特の所謂体臭と鉄の臭いがした、無臭に近い肌と体液の心地良い香り、シャツ越しではなく直に欲しいと思う、捲り上げて傷口を唇で辿る、夢に見ますよ、構わない、嘔吐した癖に、関係ない、だってお前は死んでない。

　最高の目覚めだ。何か良い夢でも見ましたか？　ああ、お前の血をすする夢を見た。そういうご趣味をお持ちでしたか？　まさか。

「鉄の臭いがいやにリアルだった」
「お怪我はないようですが」
「痛みもない」
「そういえば、血液の臭いがしますね」
「僕からか？」
「はい」

　執事はニッコリ笑った。

***

英国は初潮で何とかってあるんだろうか。赤飯的な。
シエにょたもゆる。上のでにょたて解った人いないと思うがな。