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2007.07.08 Sun 01:33:59
秋山さんの夢には、番人がいる。と、秋山さん本人に言ったら、『番人?』と訊き返された。そうです、と答えると、訝しげな視線が跳ね返される。見ていたテレビからはお笑い芸人の笑い声が聞こえた。ソファがぎし、と音を立てる。秋山さんが少し此方に身体を寄せたからだ。
「番人・・・・て、どういう意味?」
「番人は番人です。守っているんです。秋山さんの夢を」
「・・・・・・・・・・?」
秋山さんの悪戯な指先が、私の髪を触る。さらり、と指の間を抜けていく漆黒の髪を見て、その人は溜息を吐いた。訳のわからないことを言っている自覚は、あるんです。心の中でそう呟いて、けれど、決して言葉にはしないまま、秋山さんに笑いかける。えへへ、とごまかすように笑うと、それは秋山さんには通用しなかったようで、髪を撫でていた手が顎にかかった。
「言わないと・・・・・・」
添えられた手はそのままで、耳元に注がれるように囁かれる甘い言葉。『キス、するよ?』耳まで赤くなるのが、判って、少し怯んでしまった。
「・・・・・・・うぅ・・・・・・・」
「どうする?」
『言う?言わない?』そんな意味のこめられた、囁き。に、熱に浮かされたような感覚が襲ってくる。真っ赤になった顔を隠すように、私は、大声を出した。
「ね・・・・・・・・」
「ね?」
「・・・・・・・・寝てくださいっ・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・はあ・・・・・・・・?」
「ですから、寝てください!そうすれば判ります!きっと!」
だから、ほら!と語尾を強めて、秋山さんの身体を私の膝の上に倒す。小さく『わ』と声が聞こえて、下から見上げる視線で『納得できない』と言われた、気がした。けれど、口をキュ、と結んで秋山さんを暫く見ていると、ふう、と今度は溜息が聞こえて、その人はリモコンに手を伸ばそうとする。寝る気になってくれたみたい。私よりも幾分か長い手がリモコンに届いて、ブツ、と電源を落とす。すう、と息を吸って、目を閉じた。
『あんまりうるさいと、眠れないんだ』
「番人・・・・て、どういう意味?」
「番人は番人です。守っているんです。秋山さんの夢を」
「・・・・・・・・・・?」
秋山さんの悪戯な指先が、私の髪を触る。さらり、と指の間を抜けていく漆黒の髪を見て、その人は溜息を吐いた。訳のわからないことを言っている自覚は、あるんです。心の中でそう呟いて、けれど、決して言葉にはしないまま、秋山さんに笑いかける。えへへ、とごまかすように笑うと、それは秋山さんには通用しなかったようで、髪を撫でていた手が顎にかかった。
「言わないと・・・・・・」
添えられた手はそのままで、耳元に注がれるように囁かれる甘い言葉。『キス、するよ?』耳まで赤くなるのが、判って、少し怯んでしまった。
「・・・・・・・うぅ・・・・・・・」
「どうする?」
『言う?言わない?』そんな意味のこめられた、囁き。に、熱に浮かされたような感覚が襲ってくる。真っ赤になった顔を隠すように、私は、大声を出した。
「ね・・・・・・・・」
「ね?」
「・・・・・・・・寝てくださいっ・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・はあ・・・・・・・・?」
「ですから、寝てください!そうすれば判ります!きっと!」
だから、ほら!と語尾を強めて、秋山さんの身体を私の膝の上に倒す。小さく『わ』と声が聞こえて、下から見上げる視線で『納得できない』と言われた、気がした。けれど、口をキュ、と結んで秋山さんを暫く見ていると、ふう、と今度は溜息が聞こえて、その人はリモコンに手を伸ばそうとする。寝る気になってくれたみたい。私よりも幾分か長い手がリモコンに届いて、ブツ、と電源を落とす。すう、と息を吸って、目を閉じた。
『あんまりうるさいと、眠れないんだ』
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