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狗は血統書を付けられ、幼少に親許から別離させられる。狗に愛情など必要ない、というのが、目下政府のお考えらしい。はあ。狗は愛情を求め、それを与えられると願い続けて使役され、罵倒され、討たれ、生きそして死ぬ。奴隷か、よくてペットだ。飼い主には逆らえない様鎖で繋がれ、けれど飼い主の言い付けは解るように言葉と躾は与えられる。「主人の為に」は幼い頃に植え付けられる最大の呪詛で、狗はそれを愛情だと認識して、主人に尽くす。けれど、極偶に、居るのである。頭の良い馬鹿な狗が、主人にたてつき、保健所行きになる。運良く、例えば、そこから逃げたところで意味はない。それは見目こそは人となんら変わらない姿のどこかに狗の印である痣か入れ墨が施されている為、で、痣は純粋な狗に元々あるものを指し、入れ墨は人との交わりから生まれた狗に入れられる。

ナルトは溜め息をついた。今日朝から七度目だ。数えているのは単に暇だからで、他意は、ない。


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