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 私は、覚悟だと言った。あの時、サスケ君にクナイを突き付けた時に、覚悟していた、きめていた、そんなようなことを言った。
 ちゃんちゃら可笑しいと、今、思う。

君を殺せる私であれ!

「死んだわよ、ナルト」

 一対一、いつかのように彼は崖の上に、私は崖の下に立ち、いつかと違うのは、彼が一人だってこと。私が一人だってこと。
 死んだわよ、ナルト。馬鹿みたいに視線を動かしていたうちはサスケに、唇を噛んで眉間に目一杯の皺を寄せて、それからサクラはそう言った。言いながら、灰色の手袋をぎゅ、とはめていく。握って、開いて、握って、握って。緑眼は敢えて閉じたまま、ふう、と息を吐き出した。

「ごめんなさい、サスケ君」
「……」
「本当に、申し訳ないと思ってるわ」
「……」
「だって、本当なら、ナルトを『殺す』のは、サスケ君だったはずなのに」
「……サクラ、」

 覚悟でなく、義務でなく、権利でもない。ただ、私の一つのわがまま、私の一つの意志、私の一つの意思、この意地と矜持と少しの愛と、それから過去の恋心を持って、私自身に活を入れた。

 さあ、今この瞬間、君を殺せる私であれ。
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