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2010.12.03 Fri 08:39:19
2010.11.30 Tue 08:01:16
携帯電話が寿命です。電池蓋的な意味で。外れます。パカパカします。
ついでにバッテリーパックも寿命です。こっちは買い換えればなんとかなりますが。
テープで止めるかなあ(´・ω・)
ついでにバッテリーパックも寿命です。こっちは買い換えればなんとかなりますが。
テープで止めるかなあ(´・ω・)
2010.11.28 Sun 16:41:54
やっと心臓の解剖がわかるようになった。
多分しっかり見てればもっと早くわかった。
いや、しかしだな。明日のテスト受かるきがしn(ry
多分しっかり見てればもっと早くわかった。
いや、しかしだな。明日のテスト受かるきがしn(ry
2010.11.17 Wed 01:08:14
マナーセミナーにて、丁寧語、謙譲語、尊敬語を改めて教わる。
別に今時の若者だって、全く理解していないわけではないのだと思った。
しかし使う時がない。故に直ぐには出てこない。
セルフケア不足。
あとお辞儀の仕方とか。
綺麗なお辞儀が足が吊る。
畳に顔を擦り付ける様はなんかもう布団に向かってやってるとシュール以外の何者でもなかった。
成人と老年と母性の全事例頑張りすぎて交感神経高ぶりなう。
眠れんなう。
別に今時の若者だって、全く理解していないわけではないのだと思った。
しかし使う時がない。故に直ぐには出てこない。
セルフケア不足。
あとお辞儀の仕方とか。
綺麗なお辞儀が足が吊る。
畳に顔を擦り付ける様はなんかもう布団に向かってやってるとシュール以外の何者でもなかった。
成人と老年と母性の全事例頑張りすぎて交感神経高ぶりなう。
眠れんなう。
2010.11.12 Fri 01:06:37
近況
・毒吐姫を読みました。
・課題を書き直してたら終わらないループトラップに陥った。
・グループワークが嫌いすぎて企画書報告書が完全に個人提出な件。全部自分で書いちゃったが何も言われてないからまあいいか。
・明日はテストです。
・テストなのにミリオンの○×△□とかソウルイーターとか久しぶりに漫画を買いました。読みました。
・最近の日課:朝-黄豚見て学校行く、夜-学校から帰ってから黄豚見る。
・昨日ていうか一昨日やってたネギの話は既に四回くらい見てる。私キモい。
・昨日ていうか一昨日買った0.3のペン、もうインクがなくなりそうですとかどういうこと。
・結局帰ってから殆どテスト勉強せずに課題の書き直ししてた。
・明日のテスト終了のお知らせ。
・右手も終了のお知らせ。
寝るます。
・毒吐姫を読みました。
・課題を書き直してたら終わらないループトラップに陥った。
・グループワークが嫌いすぎて企画書報告書が完全に個人提出な件。全部自分で書いちゃったが何も言われてないからまあいいか。
・明日はテストです。
・テストなのにミリオンの○×△□とかソウルイーターとか久しぶりに漫画を買いました。読みました。
・最近の日課:朝-黄豚見て学校行く、夜-学校から帰ってから黄豚見る。
・昨日ていうか一昨日やってたネギの話は既に四回くらい見てる。私キモい。
・昨日ていうか一昨日買った0.3のペン、もうインクがなくなりそうですとかどういうこと。
・結局帰ってから殆どテスト勉強せずに課題の書き直ししてた。
・明日のテスト終了のお知らせ。
・右手も終了のお知らせ。
寝るます。
2010.11.06 Sat 17:10:25
しかし黒執事に嵌った切欠は思い出せない…。ブログ遡れば判るかなあ(´・ω・)
最近、マグロが泳いでないと死ぬのと一緒で私は何かに萌えてないと死ぬんだと感じるようになった。そして媒体は何でも良いんだとも思った。
しかし私はほんと、次に何に嵌るか予想出来ねえな。
ハケ豚波が終わったらどこいくんだろ。
私がもし君に届けに嵌る日が来るとしたら、多分二年後くらいだと思うんだ。みんなの目が向いてる物からは目を背けたい性分なもんで。
明日はちょめに会えるぞ(*´∀`)!
最近、マグロが泳いでないと死ぬのと一緒で私は何かに萌えてないと死ぬんだと感じるようになった。そして媒体は何でも良いんだとも思った。
しかし私はほんと、次に何に嵌るか予想出来ねえな。
ハケ豚波が終わったらどこいくんだろ。
私がもし君に届けに嵌る日が来るとしたら、多分二年後くらいだと思うんだ。みんなの目が向いてる物からは目を背けたい性分なもんで。
明日はちょめに会えるぞ(*´∀`)!
2010.11.04 Thu 20:04:48
普通、医療に携わる忍者が自ずから試作品を試すことは基本的に先ず、無い。その試作品が例え如何様な効力を発揮するものであってもだ。治療に使う薬のように動物実験の出来るようなものならばまだしも、前線で戦う忍が使うことを想定して調合された、試すにも人体実験が必要なものであれば尚更、高確率での危険が伴うためである。
その花ひとひら
「ちょっと拙いことになってね」
Sランク任務明け(二十日連勤総夜勤明けとも言う)から帰里したナルトとサスケのバディは、そのままの体でもって五代目火影綱手に呼び出された。任務期間中は仮眠こそすれ、気の張り詰めた中でのそれらはとてもじゃないが熟睡とは程遠いレム睡眠、三週間で何度悪夢に魘されたかわからない。序でに三週間で何度死線を飛び越えて三途の川を渡ると思ったかも知れない。そんな任務明けの二人であったから、もうとっとと帰って泥のように眠りにつきたい、と考えて、それだけを生きる希望のようにまさに最後の力を振り絞って走ってきたというのに、だ。里についた途端にいつからそこに居たのか、元担当上忍はたけカカシによって二人仲良く火影邸へと連行されたのである。その連行した張本人のはたけカカシ曰く「もしかしたらあの時の二人を相手にして戦ったら、俺でも瞬殺だったかも……」そのくらい二人は殺気立っていた。
二人は最早走る気力もなく、人気のない道を男三人で黙々と歩く。歩む速度こそ変化ないが、その足を動かす度に二人の、特にサスケの機嫌が下降していくのがわかり、カカシは内心溜め息を吐いた。貧乏くじ引いちゃったなあ、と遠い目をするが、それでは果たしてそのくじを引いたのはいつだったのだろうか。
あと数分歩けば火影邸に着く、という所で、無言のまま只管足を動かしていたサスケが口を開いた。このまま機械的に足だけ動かしていたら歩きながら寝るとでも思ったのかもしれない。カカシにもそんな経験が何度もあった。(流石に二十連勤総夜勤直後の呼び出しなんて鬼畜を通り越した荒行はなかったが)
「カカシ……これで下らねえ用件だったら手前ェの首と胴体別れる覚悟は勿論決まってんだろうなァ……」
それはもうまさに地を這う蛇を彷彿とさせるもので、カカシは心で二度目の溜め息を吐き出す。
「あのね、俺だって好きでお前達引率してんじゃないのよ?」
大体まだ事情を知らない今だからそんな風に、如何にも面倒です正直元直属上司のコイツをうっかりちゃっかりしっかり殺してでもとっとと眠りたいですドウゾ、なんて顔してるけどお前達二人とももしかしたら眠気だって吹っ飛んじゃうかもしれないぞ、アイツを見たら。
そんな想いもさらっと言葉の最後に詰め込んだカカシの台詞が勿論殺気立っている二人に対して効力を発揮するわけもなく(というかそんな含みに到底気付く筈もなく)、むしろそんな言葉をぶつけられたサスケとナルトにしてみれば「ザ、ケ、ン、ナ」である。何日まともに寝ていないと思っているのか。そうは思いながらも、火影様が呼んでいる、と言われてしまえばサスケもナルトも無視は出来ない。権力が怖いから、ではなく、純粋にその怪力が怖いからだとは言わないが。何にせよ、泥のように睡眠を貪っているところを叩き起こされるよりも今適当に話を聞いておいて睡眠を取るほうがまだいい。人使いの荒さは天下一品傍若無人の五代目火影と言えど、流石にこの流れで死にかけている二人に「それではこれから再び任務に出てもらう」などという非人道的なことは言わないだろう。言われたとして聞く気もない。
三人が火影邸に着くとそこには同僚の暗部が二人、そして、常になく難しい顔をした五代目火影の姿があった。サスケとナルトは獣の面越しにちらりと互いを見やり、首を傾げる。任務報告をしろ、とでも言うのだろうか? 今回は特に何かをやらかしたという記憶はないが、記憶がないだけで実は何かしていた? 呼び出しておいて口を開かない火影に痺れを切らしたのは、サスケだった。
「オイ、何のために俺達を呼び出した?」
「機嫌が悪いね……まあ、当然か」
「おかげさまでここ半月まともに寝ていないんでな」
「任務ご苦労だった」
報告書は明日以降でいい、とのたまう綱手に、二人は当然だ、と突っ込みを入れる。いいも何も、今報告書を書いたところで「無事終了」以外の言葉が書けるわけがない。欠伸をかみ殺しているのは隣で突っ立ったまま眠りそうになっているナルトだけではないのだ。
里に入った途端に切れた集中力は、サスケもナルトももう戻りそうにない。
そんな二人を見ていた綱手の口からは、珍しいことに「すまないね」が漏れた。しかし、やはりその難しい顔は戻りそうにない。
「お前達を呼んだのは、ほかに適任者が居ないと思ったから、なんだが……」
「らしくねえな。歯切れが悪いにも程がある。適任者……まさか、こんな状態の俺達に更に任務を押し付けようってんじゃねえよな……?」
「任務、ではないな」
曖昧な台詞に、サスケは眉を顰める。視線でもって促せば、続いたのは、預かって欲しい子供がいる。
「どういうことだ」
ガキのお守りはガキにさせておけ、と一蹴したサスケに、そうしたいのは山々なんだけどねえ、綱手がそう言いながら見せた一枚の写真には、知りすぎるほど知っている仲間の、知る最古の時代より遥か過去の、少なくともここ数年はみていないようなあまりに可愛らしい笑顔がうつっていた。
「サクラが、どうした?」
「それが今のサクラの姿だよ」
だからどうした、言ってしまえる程度には、疲れていたサスケだった。
※※※
「その場に居たって言ったってねー、私にもサッパリよー。だって、見つけたのが既にその姿になった後なんだもの」
甘味処、甘栗甘にて餡蜜を頬張る親友を見ながら、第一発見者のいのは唇を尖らせた。
サクラの一件で、困り果てたサスケとナルトはとりあえず詳しい事情を聴取しよう、と、休暇中のいのを捕まえた。しかし、せっかく捕まえた彼女の第一声が、私に期待しないでよねー? だった時点でもう諦めていた二人である。
「サクラちゃんがこうなる前、なん変わったこととかなかったってば?」
「あったら言ってるわー」
いいながら、いのの瞳がサクラを見つめる。
出会った頃はもう少し大きかった。
じっと見つめていると、緑の瞳が揺れた。その唇の端には、餡蜜にかかっている黒蜜がべとりとついている。
「さくらのお顔、なにかついてる……?」
「え?」
「おねーちゃん、ずっとさくらを見てるから……さくらのお顔、変? おでこ、広いから?」
泣きそうになった顔に、いのはふるふると顔を横に振った。この子は、こんな頃から広い額にコンプレックスを抱いていたのか、と、少しおかしくなった。
「口の端っこ、黒蜜がついてるわよー」
言われたサクラは、舌をちろりと出して蜜を舐める。そのまま、隣に座るナルトを見上げると、取れた? と首を傾げた。
「取れてるってばよ」
おいしいってばよ? うん!
桃色の髪の毛を優しく透いてやると、サクラは子供然と微笑む。当然だ。サクラは、今、精神も肉体もまるきり子供なのだから。
「……サクラのこんな含みのない笑顔見たの、久しぶりだわー……」
「かーわいいってば」
「デレデレねー、ナルト」
「本当にな」
「とか言って、お前だってデレデレじゃねえか」
聞いてくれってば、いの! サスケってば俺とサクラちゃんが一緒にテレビ見てると、サクラちゃんのこと俺から取り上げて自分の膝に乗せるんだってばよ? キャラちがくねえ!?
それは、幼くなったサクラがお前ばかり慕うし、お前はそんなサクラにばかり構うからだ、と、サスケは言葉にこそ出さないが、息をつく。
やだ、そんなサスケ君ー、と、顔を歪めるいのにサスケが閑話休題とばかりに本題を持ち出した。
「いの、お前がサクラを見つけた時にはすでにこの姿だった、といったな?」
「そうよー。サスケ君達が帰ってくる……三日くらい前かしらー」
「三日前……何にせよ、俺達が任務に出てから日が経っているな……」
クルクルとコップの中の氷をストローでかき混ぜていたいのは、ほーんと、わけわかんないわよー、と大きな溜め息を吐いた。
「アンタがこんなになってるっていうのに、サイさんは何してるのかしらねー」
「サイ?」
唐突に出現した名前に、ナルトが疑問符を浮かべる。ナルトとサスケが里に戻ってから一度もサイの姿を見ていないが、サクラの件を聞いたその時に「奴は任務だよ」と聞かされていた。居ないことには話も聞けないな、くらいにしか考えていなかったのだが、それを考えなしと一刀両断するのはあまりにも酷だろう。なにせ、話を受けた日の二人といったらもう精も根も尽き果てていたのだし、その翌日にしたって昼過ぎに二人してベッドでおはようございますお前何でここで一緒に寝てんだサスケこの野郎! 言ったのが奇跡のようなものだったのだから。
もっと寝汚く時間を無駄に使う予定でいたのが、サクラのことが気になってしまった。とりあえず病院に入院させてあるが、見た目はともかく体内に今のところの異常が見られないこともあり今日の朝にはめでたく退院。かといってどのような症状が出るかわからないサクラを家族に任せるのもごにょごにょ。(勿論サクラが自主的に自身に某かを致したのだとしたら他害するようなことはないのだろうが)
サスケとナルトが綱手から聞かされていることはあまり多くない。
サクラの退行は恐らく、チャクラから考えて術の類ではないことや薬品の反応が濃くでていることから、薬品を飲んだことによるものだろう、と推定されるがそれとて確実ではないのだ。大体、綱手の話では医療忍者であるサクラが不用意に薬品を使用することはないという。誰かに無理やり飲まされたか、若しくは、何らかの理由があり自身で飲んだか。前者であれば、サクラが大人しく飲まされるわけもないだろうので、ここ三日間で全身複雑、若しくは解放骨折している奴がいれば間違いなくソイツが犯人だ。問題は、後者の場合である。
「ごちそうさまでした!」
あどけなく笑う少女は憂いのその訳を、どこへやってしまいたかったのか。
その花ひとひら
「ちょっと拙いことになってね」
Sランク任務明け(二十日連勤総夜勤明けとも言う)から帰里したナルトとサスケのバディは、そのままの体でもって五代目火影綱手に呼び出された。任務期間中は仮眠こそすれ、気の張り詰めた中でのそれらはとてもじゃないが熟睡とは程遠いレム睡眠、三週間で何度悪夢に魘されたかわからない。序でに三週間で何度死線を飛び越えて三途の川を渡ると思ったかも知れない。そんな任務明けの二人であったから、もうとっとと帰って泥のように眠りにつきたい、と考えて、それだけを生きる希望のようにまさに最後の力を振り絞って走ってきたというのに、だ。里についた途端にいつからそこに居たのか、元担当上忍はたけカカシによって二人仲良く火影邸へと連行されたのである。その連行した張本人のはたけカカシ曰く「もしかしたらあの時の二人を相手にして戦ったら、俺でも瞬殺だったかも……」そのくらい二人は殺気立っていた。
二人は最早走る気力もなく、人気のない道を男三人で黙々と歩く。歩む速度こそ変化ないが、その足を動かす度に二人の、特にサスケの機嫌が下降していくのがわかり、カカシは内心溜め息を吐いた。貧乏くじ引いちゃったなあ、と遠い目をするが、それでは果たしてそのくじを引いたのはいつだったのだろうか。
あと数分歩けば火影邸に着く、という所で、無言のまま只管足を動かしていたサスケが口を開いた。このまま機械的に足だけ動かしていたら歩きながら寝るとでも思ったのかもしれない。カカシにもそんな経験が何度もあった。(流石に二十連勤総夜勤直後の呼び出しなんて鬼畜を通り越した荒行はなかったが)
「カカシ……これで下らねえ用件だったら手前ェの首と胴体別れる覚悟は勿論決まってんだろうなァ……」
それはもうまさに地を這う蛇を彷彿とさせるもので、カカシは心で二度目の溜め息を吐き出す。
「あのね、俺だって好きでお前達引率してんじゃないのよ?」
大体まだ事情を知らない今だからそんな風に、如何にも面倒です正直元直属上司のコイツをうっかりちゃっかりしっかり殺してでもとっとと眠りたいですドウゾ、なんて顔してるけどお前達二人とももしかしたら眠気だって吹っ飛んじゃうかもしれないぞ、アイツを見たら。
そんな想いもさらっと言葉の最後に詰め込んだカカシの台詞が勿論殺気立っている二人に対して効力を発揮するわけもなく(というかそんな含みに到底気付く筈もなく)、むしろそんな言葉をぶつけられたサスケとナルトにしてみれば「ザ、ケ、ン、ナ」である。何日まともに寝ていないと思っているのか。そうは思いながらも、火影様が呼んでいる、と言われてしまえばサスケもナルトも無視は出来ない。権力が怖いから、ではなく、純粋にその怪力が怖いからだとは言わないが。何にせよ、泥のように睡眠を貪っているところを叩き起こされるよりも今適当に話を聞いておいて睡眠を取るほうがまだいい。人使いの荒さは天下一品傍若無人の五代目火影と言えど、流石にこの流れで死にかけている二人に「それではこれから再び任務に出てもらう」などという非人道的なことは言わないだろう。言われたとして聞く気もない。
三人が火影邸に着くとそこには同僚の暗部が二人、そして、常になく難しい顔をした五代目火影の姿があった。サスケとナルトは獣の面越しにちらりと互いを見やり、首を傾げる。任務報告をしろ、とでも言うのだろうか? 今回は特に何かをやらかしたという記憶はないが、記憶がないだけで実は何かしていた? 呼び出しておいて口を開かない火影に痺れを切らしたのは、サスケだった。
「オイ、何のために俺達を呼び出した?」
「機嫌が悪いね……まあ、当然か」
「おかげさまでここ半月まともに寝ていないんでな」
「任務ご苦労だった」
報告書は明日以降でいい、とのたまう綱手に、二人は当然だ、と突っ込みを入れる。いいも何も、今報告書を書いたところで「無事終了」以外の言葉が書けるわけがない。欠伸をかみ殺しているのは隣で突っ立ったまま眠りそうになっているナルトだけではないのだ。
里に入った途端に切れた集中力は、サスケもナルトももう戻りそうにない。
そんな二人を見ていた綱手の口からは、珍しいことに「すまないね」が漏れた。しかし、やはりその難しい顔は戻りそうにない。
「お前達を呼んだのは、ほかに適任者が居ないと思ったから、なんだが……」
「らしくねえな。歯切れが悪いにも程がある。適任者……まさか、こんな状態の俺達に更に任務を押し付けようってんじゃねえよな……?」
「任務、ではないな」
曖昧な台詞に、サスケは眉を顰める。視線でもって促せば、続いたのは、預かって欲しい子供がいる。
「どういうことだ」
ガキのお守りはガキにさせておけ、と一蹴したサスケに、そうしたいのは山々なんだけどねえ、綱手がそう言いながら見せた一枚の写真には、知りすぎるほど知っている仲間の、知る最古の時代より遥か過去の、少なくともここ数年はみていないようなあまりに可愛らしい笑顔がうつっていた。
「サクラが、どうした?」
「それが今のサクラの姿だよ」
だからどうした、言ってしまえる程度には、疲れていたサスケだった。
※※※
「その場に居たって言ったってねー、私にもサッパリよー。だって、見つけたのが既にその姿になった後なんだもの」
甘味処、甘栗甘にて餡蜜を頬張る親友を見ながら、第一発見者のいのは唇を尖らせた。
サクラの一件で、困り果てたサスケとナルトはとりあえず詳しい事情を聴取しよう、と、休暇中のいのを捕まえた。しかし、せっかく捕まえた彼女の第一声が、私に期待しないでよねー? だった時点でもう諦めていた二人である。
「サクラちゃんがこうなる前、なん変わったこととかなかったってば?」
「あったら言ってるわー」
いいながら、いのの瞳がサクラを見つめる。
出会った頃はもう少し大きかった。
じっと見つめていると、緑の瞳が揺れた。その唇の端には、餡蜜にかかっている黒蜜がべとりとついている。
「さくらのお顔、なにかついてる……?」
「え?」
「おねーちゃん、ずっとさくらを見てるから……さくらのお顔、変? おでこ、広いから?」
泣きそうになった顔に、いのはふるふると顔を横に振った。この子は、こんな頃から広い額にコンプレックスを抱いていたのか、と、少しおかしくなった。
「口の端っこ、黒蜜がついてるわよー」
言われたサクラは、舌をちろりと出して蜜を舐める。そのまま、隣に座るナルトを見上げると、取れた? と首を傾げた。
「取れてるってばよ」
おいしいってばよ? うん!
桃色の髪の毛を優しく透いてやると、サクラは子供然と微笑む。当然だ。サクラは、今、精神も肉体もまるきり子供なのだから。
「……サクラのこんな含みのない笑顔見たの、久しぶりだわー……」
「かーわいいってば」
「デレデレねー、ナルト」
「本当にな」
「とか言って、お前だってデレデレじゃねえか」
聞いてくれってば、いの! サスケってば俺とサクラちゃんが一緒にテレビ見てると、サクラちゃんのこと俺から取り上げて自分の膝に乗せるんだってばよ? キャラちがくねえ!?
それは、幼くなったサクラがお前ばかり慕うし、お前はそんなサクラにばかり構うからだ、と、サスケは言葉にこそ出さないが、息をつく。
やだ、そんなサスケ君ー、と、顔を歪めるいのにサスケが閑話休題とばかりに本題を持ち出した。
「いの、お前がサクラを見つけた時にはすでにこの姿だった、といったな?」
「そうよー。サスケ君達が帰ってくる……三日くらい前かしらー」
「三日前……何にせよ、俺達が任務に出てから日が経っているな……」
クルクルとコップの中の氷をストローでかき混ぜていたいのは、ほーんと、わけわかんないわよー、と大きな溜め息を吐いた。
「アンタがこんなになってるっていうのに、サイさんは何してるのかしらねー」
「サイ?」
唐突に出現した名前に、ナルトが疑問符を浮かべる。ナルトとサスケが里に戻ってから一度もサイの姿を見ていないが、サクラの件を聞いたその時に「奴は任務だよ」と聞かされていた。居ないことには話も聞けないな、くらいにしか考えていなかったのだが、それを考えなしと一刀両断するのはあまりにも酷だろう。なにせ、話を受けた日の二人といったらもう精も根も尽き果てていたのだし、その翌日にしたって昼過ぎに二人してベッドでおはようございますお前何でここで一緒に寝てんだサスケこの野郎! 言ったのが奇跡のようなものだったのだから。
もっと寝汚く時間を無駄に使う予定でいたのが、サクラのことが気になってしまった。とりあえず病院に入院させてあるが、見た目はともかく体内に今のところの異常が見られないこともあり今日の朝にはめでたく退院。かといってどのような症状が出るかわからないサクラを家族に任せるのもごにょごにょ。(勿論サクラが自主的に自身に某かを致したのだとしたら他害するようなことはないのだろうが)
サスケとナルトが綱手から聞かされていることはあまり多くない。
サクラの退行は恐らく、チャクラから考えて術の類ではないことや薬品の反応が濃くでていることから、薬品を飲んだことによるものだろう、と推定されるがそれとて確実ではないのだ。大体、綱手の話では医療忍者であるサクラが不用意に薬品を使用することはないという。誰かに無理やり飲まされたか、若しくは、何らかの理由があり自身で飲んだか。前者であれば、サクラが大人しく飲まされるわけもないだろうので、ここ三日間で全身複雑、若しくは解放骨折している奴がいれば間違いなくソイツが犯人だ。問題は、後者の場合である。
「ごちそうさまでした!」
あどけなく笑う少女は憂いのその訳を、どこへやってしまいたかったのか。
2010.10.25 Mon 07:28:47
会計検査庁-黄金の豚-
第一話からニヤニヤ。しかし、のっけ、始まり方が若干アンタッチャブル臭がしたんだよなあ…。最終回から三回前あたりとか怖いな。私は工藤君より角松さんが好きよ。しかしマッポからの視線を避けるためだけに芯子にちゅーされた工藤君可哀想すwwそれを見ちゃった胸のざわめく角松さんも可哀想ww
「気持ちに嘘はなかった」の芯子の顔可愛すぎて前のめりになった。
ちゅーできない角松さん可哀想。
股間握られる角松さん可哀想。
たまなし呼ばわりされる角松さん可哀想。
113万8千250円?詐欺られた角松さん可哀想。
ていうか昔の芯子可愛い可愛い可愛い可愛いニヤニヤ。結婚詐欺ってた時のね。
という記事を投下しようとして寝ていた。
第一話からニヤニヤ。しかし、のっけ、始まり方が若干アンタッチャブル臭がしたんだよなあ…。最終回から三回前あたりとか怖いな。私は工藤君より角松さんが好きよ。しかしマッポからの視線を避けるためだけに芯子にちゅーされた工藤君可哀想すwwそれを見ちゃった胸のざわめく角松さんも可哀想ww
「気持ちに嘘はなかった」の芯子の顔可愛すぎて前のめりになった。
ちゅーできない角松さん可哀想。
股間握られる角松さん可哀想。
たまなし呼ばわりされる角松さん可哀想。
113万8千250円?詐欺られた角松さん可哀想。
ていうか昔の芯子可愛い可愛い可愛い可愛いニヤニヤ。結婚詐欺ってた時のね。
という記事を投下しようとして寝ていた。
2010.10.21 Thu 08:36:35
酔いつぶれたサクラちゃんは若草よりちょい濃いめのパジャマとか着て、着替えてる最中のサスナルの首根っこ捕まえて、添い寝しろ!とか言ってたら可愛い。起きたら両手に半裸。
サスケに腕枕されてナルトに手握られて、幸せな夢みたいな現実でちょっと泣ける。あ、サクラちゃんおは……なんで泣いてるってば? 怖い夢見た? もう夢じゃあ泣けないわ。ただ幸せな今が夢みたいで泣けただけ。
そんな結婚式当日。
あ、もしもしサイ、私サスケ君とナルトと一緒に式場行くわね。
うん。わかった。
妬いてる?
勿論。
良かった。
それじゃあ。
大丈夫なのか。
何が?
俺なら連れが朝から他の男のと一緒に居るなんて考えられない。
キスもないくせに何言ってるの? ほら、ナルト、お風呂入ってくるから手離して? それとも一緒に入る?
当サイトはサクラちゃんを中心に回っております。今更。
サスケに腕枕されてナルトに手握られて、幸せな夢みたいな現実でちょっと泣ける。あ、サクラちゃんおは……なんで泣いてるってば? 怖い夢見た? もう夢じゃあ泣けないわ。ただ幸せな今が夢みたいで泣けただけ。
そんな結婚式当日。
あ、もしもしサイ、私サスケ君とナルトと一緒に式場行くわね。
うん。わかった。
妬いてる?
勿論。
良かった。
それじゃあ。
大丈夫なのか。
何が?
俺なら連れが朝から他の男のと一緒に居るなんて考えられない。
キスもないくせに何言ってるの? ほら、ナルト、お風呂入ってくるから手離して? それとも一緒に入る?
当サイトはサクラちゃんを中心に回っております。今更。
2010.10.20 Wed 18:45:50
ネタ的には割と好きだったんだけど、思うように運ばず。後半あたりが練れず。うーん。
とりあえず投下。
※※※
今日は酔いつぶれてやる。決めたサクラは、潔かった。どうせ明日は一日中オフ日なのだし、それを思えば、二日酔いも悪くはない。
アカデミーより前からなんだかんだ親友している山中いのから、アンタの部隊と合同呑み企画するからアンタも来なさいよーと言われ、偶には、と参加した今日だった。断る理由もない。けれど、特別楽しもうとも思っても居なかった。結局只単に味もない安酒が呑みたかったのだ。一人ぽつねんと隅に座り、宴を見ながら。
飲み会当日、どうしてどうして、サクラの希望は部隊の部下達によって打ち砕かれた。否、打ち砕かれているいまなう。
滅多飲み会に顔を出さないサクラは、店に来た瞬間からまさかの人気者だった。特に山中班から。何故かと言えば木ノ葉の春野サクラと云えば、向かうところ敵なしの剛腕と類い希な医療忍術の才能、更に非常に秀でた幻術の技を持ち、更に更に、あの、うちはサスケとうずまきナルトを手懐けている九ノ一だから、であるらしい。強い忍は男女問わず憧れの的になるものであり、サクラも例に漏れず、なのだった。
でもそれってつまり゛強い男を手懐けている゛私に興味があるだけでしょう。はぁ。
「サクラさん、そんなに呑んで大丈夫なんですか……?」
深い溜め息を吐いたサクラを気遣ったのは、山中いの率いる隊の新人だった。
そんなに、といわれたサクラの前にあるのはまだ徳利一本で、こんなもんで酔えるなら家で呑むわよ、と毒づきたくなる。
「大丈夫じゃなくなりたいから呑んでるのよ。放って置いてくれて構わないから、君はあっちで盛り上がってらっしゃい」
新人君が、それでも心配そうな顔をする。この顔は、サクラが三時間くらいペースを変えずに酒を煽り普段に増して口が悪くなったあたりでサスケとナルトがする顔だ。
『大丈夫、サクラちゃん……?』
『大丈夫じゃなくなりたいから呑んでるのよ、大体、呑みたい理由はアンタ達なんだから、止めんな!』
これもいつも。
本当に頭の悪い迷惑な理由だと、自分でも思っているがそも今日は酒を呑みに来たのだ。早々に酔ってしまいたい。ポーカーフェイスの下が実は下戸なサイなどとは違い、サクラは笊だ。吐く程酔うにはそれなりの量が必要であり、おまけに大勢の中の一人という省き要素でも加わらなければ望む程酩酊することはできない。鬱は最大の酒のつまみ。
ちなみに余談だが、サスケ、ナルトなどは酒に関してはまるで蟒蛇である。恐らく同期で一番強い。体質もあるだろうが、競って呑むせいで酒に耐性がついたようだ。
そこまでとは行かず、けれど強いサクラは普段はくたばって帰れなくなるほど酔うことはない。家に帰ればバタンキューだが、少なくとも路上で嘔吐などという失態は犯さない。
でも、今日はそこまででも呑みたい気分なのだ。
「でも、」
「今はまだ、大丈夫、だから、ね?」
再三の気遣いに申し訳程度に返事をしていると、誘ってくれた親友がとうとう眉を顰め、顔をしかめた。
「独りで呑みたいなら家で呑みなさいよー」
それは全くその通りなのだけれど、残念。
「独りで呑みたいんじゃなくて、大勢いるところで一人になりたいのよ……」
本音を洩らせば、ネクラちゃんと言われた。事実であるし、言い返す気も起きないので言わせたいままにさせておく。
「サクラ上忍て実は甘えたがりさんですか?」
すっかりサクラに興味をお持ちになってしまったらしい新人君は、いっそ、と正面に陣取ってしまった。出きれば一人で呑みたかったけれどこの際止めやがらないのであれば別段構わないと思うことにした。
隣では、いのが杯を傾けている。甘えたがりなのー?
「私は面倒臭い女なだけ。本当、構わなくていいから」
返事をすればその都度罪悪感がこみ上げるのでつまみとしての鬱気分は大分良い線行っていそうだが、合間合間で酒を切られるせいで到底酔えそうにない。そして、酒が切れる度に、
「あ、サイさん」
「どうも。サクラはまだ『大丈夫』?」
「うぇ、はい、」
「良かった、間に合って」
「任務か何かですか?」
「ちっがうわよ、コイツはね、私が前後不覚になってぐったりすんの見るのが好きなのよ。悪趣味」
「付き合うよ」
「お酒が不味くなるから結構ですー」
「不味くなる、はおかしいんじゃないかな? 今呑んでるお酒の味がそんなにすぐに劣化するとは思えないよ」
「アンタにはそういう特集能力が備わってんの」
「始めて知った」
「でしょうね。自覚してたら酒の席にわざわざ来たりしない……ああ、でもサイさんならわかりませんよねー、KKYだからー」
「KKY?」
「悉く空気読めない」
「サクラさんて、サイさんに冷たくないですか……?」
「言われてるわよ、冷血でこりん」
「あ、いや、じゃなくて、」
「そう思うでしょ? 冷たくしてんのに構ってくるのよ」
「サクラの泣く顔はみたくないから」
「何それ」
「サクラはひとりで呑んでると突然泣き出すからね」
「……見たくないなら、そばにこなきゃいいじゃない」
ふん、と鼻を慣らしながら一気に不味くなったアルコール水を飲み干すと、サイが徳利を差し出してくる。これは別に気を遣っているわけでも気を利かせているわけでもない。つい先日家でもって呑んでいた時にサクラが飲み干した杯を突き付けて注がせていたら覚えただけの行為だ。
「うーん、違うかも。サクラの泣く顔を、見せたくないんだ」
「……ハァ?」
何言ってんのコイツ、と息をつきながらその顔を見ると、いつになく真剣な、その癖どこか優しげな、一言で言えば珍妙な顔をしているものだから、サクラはいよいよ反応に困る。そんなサクラは置いてきぼりで、サイはひたすらマイペースだ。
「それに、サクラは呑んで潰れるまでの過程が僕に対して一番素直な反応を返してくれる」
確かに。
確かに、呑んでいる時の罵詈雑言の数々が゛素直゛にカテゴライズされるならサイに対するそれは一番゛素直゛であるということになるのだろう。けれど。
「何言ってんの?」
とうとう声に出る。だって、サイが何を言わんとしているのか全くわからない。ただすごく、嫌な予感だけはする。
KKYのサイだ。
「これは、好意かな?」
「コウイ」
漢字変換出来ず、サクラの眉間には思い切り皺が寄る。
「うん、どうやら僕はサクラのことが好きみたいだ」
ドーン。
どこまでも、爆弾を投下する男だった。悩んで悩んで悩んで苛立っていたのが馬鹿のような、告白。しかも、脈絡もあってないようなものならその言葉だって到底ロマンティックとは言えないものだった。昔の、サスケ君と二人きり真夜中の公園静けさの中でそっと言われる好きだよ、は幻想ですらない妄想で、現実は真夜中近くの居酒屋でそれが告白なのかも定かでない、まるで報告。大体相手はサスケ君ですらなかった。もう彼は憧れの君ではないから。でも、アンタだって、ねえ……!
ブチッ。
「……~~サイ! ッお前、もう、死ね!」
ドンチャン騒ぎの穏やかさは一瞬の内にサクラの暴動に掻き消されてしまった。
なんなのそれなんなのそれなんなのそれ!
「サクラさん……っ!? 落ち着いて下さ……ッ」
「ウルッサイ! ッザッけんじゃないわよッ!」
焼き切れそうな理性で睨む自分に、驚きもしない男にもうそろそろ拳を振りかぶりそうになる。
「僕は振られたのかな?」
「確かにKKY……」
「でも、確かにアノ告白は今更よねー……」
「どうしてですか?」
「だって、あの二人同棲してるのに」
※※※
サイトに降ろすっていうか上げるっていうかの時には全体的にもう少しマシにしますorz
とりあえず投下。
※※※
今日は酔いつぶれてやる。決めたサクラは、潔かった。どうせ明日は一日中オフ日なのだし、それを思えば、二日酔いも悪くはない。
アカデミーより前からなんだかんだ親友している山中いのから、アンタの部隊と合同呑み企画するからアンタも来なさいよーと言われ、偶には、と参加した今日だった。断る理由もない。けれど、特別楽しもうとも思っても居なかった。結局只単に味もない安酒が呑みたかったのだ。一人ぽつねんと隅に座り、宴を見ながら。
飲み会当日、どうしてどうして、サクラの希望は部隊の部下達によって打ち砕かれた。否、打ち砕かれているいまなう。
滅多飲み会に顔を出さないサクラは、店に来た瞬間からまさかの人気者だった。特に山中班から。何故かと言えば木ノ葉の春野サクラと云えば、向かうところ敵なしの剛腕と類い希な医療忍術の才能、更に非常に秀でた幻術の技を持ち、更に更に、あの、うちはサスケとうずまきナルトを手懐けている九ノ一だから、であるらしい。強い忍は男女問わず憧れの的になるものであり、サクラも例に漏れず、なのだった。
でもそれってつまり゛強い男を手懐けている゛私に興味があるだけでしょう。はぁ。
「サクラさん、そんなに呑んで大丈夫なんですか……?」
深い溜め息を吐いたサクラを気遣ったのは、山中いの率いる隊の新人だった。
そんなに、といわれたサクラの前にあるのはまだ徳利一本で、こんなもんで酔えるなら家で呑むわよ、と毒づきたくなる。
「大丈夫じゃなくなりたいから呑んでるのよ。放って置いてくれて構わないから、君はあっちで盛り上がってらっしゃい」
新人君が、それでも心配そうな顔をする。この顔は、サクラが三時間くらいペースを変えずに酒を煽り普段に増して口が悪くなったあたりでサスケとナルトがする顔だ。
『大丈夫、サクラちゃん……?』
『大丈夫じゃなくなりたいから呑んでるのよ、大体、呑みたい理由はアンタ達なんだから、止めんな!』
これもいつも。
本当に頭の悪い迷惑な理由だと、自分でも思っているがそも今日は酒を呑みに来たのだ。早々に酔ってしまいたい。ポーカーフェイスの下が実は下戸なサイなどとは違い、サクラは笊だ。吐く程酔うにはそれなりの量が必要であり、おまけに大勢の中の一人という省き要素でも加わらなければ望む程酩酊することはできない。鬱は最大の酒のつまみ。
ちなみに余談だが、サスケ、ナルトなどは酒に関してはまるで蟒蛇である。恐らく同期で一番強い。体質もあるだろうが、競って呑むせいで酒に耐性がついたようだ。
そこまでとは行かず、けれど強いサクラは普段はくたばって帰れなくなるほど酔うことはない。家に帰ればバタンキューだが、少なくとも路上で嘔吐などという失態は犯さない。
でも、今日はそこまででも呑みたい気分なのだ。
「でも、」
「今はまだ、大丈夫、だから、ね?」
再三の気遣いに申し訳程度に返事をしていると、誘ってくれた親友がとうとう眉を顰め、顔をしかめた。
「独りで呑みたいなら家で呑みなさいよー」
それは全くその通りなのだけれど、残念。
「独りで呑みたいんじゃなくて、大勢いるところで一人になりたいのよ……」
本音を洩らせば、ネクラちゃんと言われた。事実であるし、言い返す気も起きないので言わせたいままにさせておく。
「サクラ上忍て実は甘えたがりさんですか?」
すっかりサクラに興味をお持ちになってしまったらしい新人君は、いっそ、と正面に陣取ってしまった。出きれば一人で呑みたかったけれどこの際止めやがらないのであれば別段構わないと思うことにした。
隣では、いのが杯を傾けている。甘えたがりなのー?
「私は面倒臭い女なだけ。本当、構わなくていいから」
返事をすればその都度罪悪感がこみ上げるのでつまみとしての鬱気分は大分良い線行っていそうだが、合間合間で酒を切られるせいで到底酔えそうにない。そして、酒が切れる度に、
「あ、サイさん」
「どうも。サクラはまだ『大丈夫』?」
「うぇ、はい、」
「良かった、間に合って」
「任務か何かですか?」
「ちっがうわよ、コイツはね、私が前後不覚になってぐったりすんの見るのが好きなのよ。悪趣味」
「付き合うよ」
「お酒が不味くなるから結構ですー」
「不味くなる、はおかしいんじゃないかな? 今呑んでるお酒の味がそんなにすぐに劣化するとは思えないよ」
「アンタにはそういう特集能力が備わってんの」
「始めて知った」
「でしょうね。自覚してたら酒の席にわざわざ来たりしない……ああ、でもサイさんならわかりませんよねー、KKYだからー」
「KKY?」
「悉く空気読めない」
「サクラさんて、サイさんに冷たくないですか……?」
「言われてるわよ、冷血でこりん」
「あ、いや、じゃなくて、」
「そう思うでしょ? 冷たくしてんのに構ってくるのよ」
「サクラの泣く顔はみたくないから」
「何それ」
「サクラはひとりで呑んでると突然泣き出すからね」
「……見たくないなら、そばにこなきゃいいじゃない」
ふん、と鼻を慣らしながら一気に不味くなったアルコール水を飲み干すと、サイが徳利を差し出してくる。これは別に気を遣っているわけでも気を利かせているわけでもない。つい先日家でもって呑んでいた時にサクラが飲み干した杯を突き付けて注がせていたら覚えただけの行為だ。
「うーん、違うかも。サクラの泣く顔を、見せたくないんだ」
「……ハァ?」
何言ってんのコイツ、と息をつきながらその顔を見ると、いつになく真剣な、その癖どこか優しげな、一言で言えば珍妙な顔をしているものだから、サクラはいよいよ反応に困る。そんなサクラは置いてきぼりで、サイはひたすらマイペースだ。
「それに、サクラは呑んで潰れるまでの過程が僕に対して一番素直な反応を返してくれる」
確かに。
確かに、呑んでいる時の罵詈雑言の数々が゛素直゛にカテゴライズされるならサイに対するそれは一番゛素直゛であるということになるのだろう。けれど。
「何言ってんの?」
とうとう声に出る。だって、サイが何を言わんとしているのか全くわからない。ただすごく、嫌な予感だけはする。
KKYのサイだ。
「これは、好意かな?」
「コウイ」
漢字変換出来ず、サクラの眉間には思い切り皺が寄る。
「うん、どうやら僕はサクラのことが好きみたいだ」
ドーン。
どこまでも、爆弾を投下する男だった。悩んで悩んで悩んで苛立っていたのが馬鹿のような、告白。しかも、脈絡もあってないようなものならその言葉だって到底ロマンティックとは言えないものだった。昔の、サスケ君と二人きり真夜中の公園静けさの中でそっと言われる好きだよ、は幻想ですらない妄想で、現実は真夜中近くの居酒屋でそれが告白なのかも定かでない、まるで報告。大体相手はサスケ君ですらなかった。もう彼は憧れの君ではないから。でも、アンタだって、ねえ……!
ブチッ。
「……~~サイ! ッお前、もう、死ね!」
ドンチャン騒ぎの穏やかさは一瞬の内にサクラの暴動に掻き消されてしまった。
なんなのそれなんなのそれなんなのそれ!
「サクラさん……っ!? 落ち着いて下さ……ッ」
「ウルッサイ! ッザッけんじゃないわよッ!」
焼き切れそうな理性で睨む自分に、驚きもしない男にもうそろそろ拳を振りかぶりそうになる。
「僕は振られたのかな?」
「確かにKKY……」
「でも、確かにアノ告白は今更よねー……」
「どうしてですか?」
「だって、あの二人同棲してるのに」
※※※
サイトに降ろすっていうか上げるっていうかの時には全体的にもう少しマシにしますorz