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 のう、乱馬よ、止水桶というものを知っとるか?
 妖怪爺から漏れた単語に、乱馬は露骨に嫌な顔をした。妖怪爺……八宝斎は乱馬を見ずにひたすらアイロン掛けにいそしんでいる。勿論、盗品だ。そんな元気な爺さんに一つ溜め息を吐いた乱馬は、転がっていた畳から腹筋を使って起き上がる。

「知ってるぜ」

 というか、思い出したくないくらいだ。あれに関しては良い思い出が一つもない。……否、一つあったか。乱馬の脳裏に、あかねの旋毛と回された腕の温かさが蘇る。けれど、何故じいさんがそんな物の名前を突然出してきたのか? ふと下着の山を見ると、八宝斎の姿がない。気配を後ろに感じたときには、遅かった。
 ばしゃり、と水の跳ねる音。

「ぶわっ!」
「止水桶を使うとこの女体が見苦しい男の姿に戻らんというのは本当かのー」
「どわわわわええいやめんかー!」

 らんまは胸にへばり付く小さい爺さんを鷲掴むと、放り投げる。嫌な予感がした。目の前の湯飲みのお茶をひっかぶって、消えているテレビの画面に姿を映して、愕然とする。嫌な予感というものは、やたら的中するものだ。まだ比較的温かかったお茶は、けれどらんまの身体変化を誘うには至らなかった。それはまさに、止水桶の如く。

「糞ジジイ何しやがった!」

一ヶ月の、ある一週間。

 止水桶といえば、呪泉の効果を留めるために使われる、桶だ。その桶と柄杓は開水封と呼ばれる湯沸かし器と対を成す。いつだったかこの道具のせいで、乱馬、良牙、ムースが苦い経験をした。まさか、また被ることになるのは思わなかった。止水。しかも、簡易。

「効果持続時間は約一ヶ月、簡易止水桶?」
「中国の呪泉郷通販で買ったんだって」
「通販で、呪泉郷」
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